リモートワークが進むなか「どうやってチームマネジメントをしたらいいのだろう」と悩むマネージャーが増えています。リモートワークではコミュニケーションの取り方が限定的になるぶん、意図をもった働きかけの重要性がより増しています。
マネジメントのコツは、個々人としっかり向き合う度合いを高めること。そのために、メンバー一人ひとりの個性をしっかり把握することに意識をむけてみませんか。
「あの人はこういう人だから」。自分は「あぁ言われたら、こう反応する」ということが予め見立てられいるとコミュニケーションはじつに円滑になるものですよ。
「組織的に動けていない」は、あなたの会社だけじゃない
「ぜんぜん組織的に動けていないんですよ」と聞いたことありませんか。スポーツチームの監督がインタビューで答えているのを聞いたことがある人も多いかもしれません。この言葉を聞いたとき、どんな状態が思いかびますか。たとえば
- 個々人が勝手に動いている
- 情報が共有されていない
- 役割分担があいまい
といった、いわば「残念な状態」が想像できますよね。
「組織的」ってなに?
「組織」の特徴は「分業」と「調整」にある、と言われています。「分業」とは、1人がすべてをやるよりも、分担するほうが効果的な時に生じるものです。「調整」とは、分業した人々の活動が連動してスムーズに動いていくために必要な機能です。
これらが欠けているとしたら――なかなか「組織的」とは言えませんよね。
新規事業の立ち上げによくあるケース
たとえばある新規事業のチームを例にとってみます。初期は3人のチームでサービスを立ち上げました。事業が軌道にのりはじめ、「一気に30人規模の体制にして事業拡大をする」ことになりました。
いくつかの小チームをつくり、「部門長・マネージャー・メンバー」という3階層組織が編成されました。さて「体制は整備できた。これで計画通り動けるね」となるものでしょうか? リーダー経験のあるかたほど、こう思うでしょう。
「いやいや、組織の形が整っただけでは事業は何も動かないよ」と。
マネージャーはチーム成果を発揮するための役割
ありがちなのは、担当者同士で作業の重複が起こったり、情報漏れによるトラブルが起こったりすることです。「分業」がうまくおこなわれていないだとか、「調整」機能が働いていなかったりすることで起きがちな事象です。
さらに「わたしだけ知らされていなかった」「どうしてあの人だけ評価されるのかわからない」「リモートワークなのに評価制度は今までどおりなのはなぜだ」といった不満や疑問の声もでてきます。
こうした「一人ひとりの理解と納得づくり」を積み重ねていく行動こそが、組織を機能させるためには必要です。しかし各部門のマネージャーがこのことを理解していないと、その組織はちぐはぐした組織になってしまいます。これが「マネジメントが変わると組織が変わる」という現実です。
マネージャーは、組織が機能するための要です。自分の成果を目指すのではなく、チームとしての成果を発揮していく役割です。「チームメンバーと目的・目標を共有し、一人ひとりの活躍を促進する役割」が求められています。
解像度をさらにあげるなら、具体的な打ち手を考えに考えぬき、判断し、実行推進をおこない、進捗状況を把握する役です。では要として機能するためには、どうしたらよいのでしょうか。
「マネジメント」に求められることは、業務管理をはじめとしていくつもあります。しかし、すべてに共通するのは、メンバーと本質的なコミュニケーションをとる力です。コミュニケーションとは、単なる会話のやり取りだけではありません。
方針をチームに展開する力、メンバー個々人の役割理解を促進する力、状況判断をしながら指示や確認を進める力、チーム力向上のための発信など、すべてのやり取りが含まれてきます。昨今よく聞く1on1とは、そのための場であるはずです。
職場コミュニケーションの問題が、組織力低下を引き起こす
職場のコミュニケーションがうまく行われず、組織力が低下していくような組織があります。
Case1:自分ですべて決めるタイプのマネージャーが陥るケース
あるマネージャーは、「自分が全部決め、メンバーは指示に沿って動いてもらうのが最も効率的だ」という持論を持っています。これに対してメンバーはどうでしょう。
「納得できない指示がつぎつぎとくる」「せっかく意見を言ったのにまったく聞いてくれない」と不満続出気味。こうなると「あんな指示に従わなくていいよ」とチームは崩壊寸前になります。
Case2:成功体験が拠りどころになっているタイプのマネージャーが陥るケース
あるマネージャーは、「自分はこうやって成功してきた」という経験を強く持っていました。しかし自信はいき過ぎると過信となり、他のやりかたについては否定的になります。
「そうじゃないんだよね」「自分がやってきたときは、そのやり方じゃない」「いいから、とにかくがんばれ」と否定&ハッパをかけつづけました。結果、がんばりすぎて体調を崩してしまったメンバーが出てしまいました。
チーム運営の鉄則は、一人ひとりの個性を引き出し、活躍とチーム成果の向上を同時に起こしていくこと。しかしどちらのケースも、メンバーの個性を引きだすコミュニケーションはおこなわれていません。自分のやりかたを押しつけているのが、第三者からは見てとれます。
メンバー個性を知るツールは、マネージャーにとっての必須ツール
思っていたとおりにチーム成果があがらないと、「何をどう改善していいかわからない」とこんどはマネージャー自身が悩みはじめます。「期待したとおりに動いてくれない」はよく聞く話です。「チーム運営のあり方とは」とか「マネジメントとは」を考える機会もなくマネージャーに登用された人ほど困る、という例が日本のどこかで今日も起きています。
ここで活用したいのが、FFS理論です。各個人の個性を5つの因子をもとにして可視化し、示してくれます。また「本人用」だけでなく「マネジメント用」として、上司が部下把握のために使えるレポートも同時に作成されます。(体験されたい方こちらからお問い合わせを)
FFS理論によって可視化された一人ひとりの個性因子情報は、マネージャーにとっての「必須ツール」と言えます。コミュニケーションをする前に相手を把握できると「こういう個性の人だからこう伝えよう」「自分とは真逆のタイプだから、それを受け止める姿勢で向き合おう」と、事前準備をすることができます。相手の個性にあわせたコミュニケーションをすることで、相手の理解・納得を高めることも可能です。
マネジメントのコツは、メンバーの「心の声」に向きあうこと
マネジメントで特に意識をむけたいのは、メンバーの「心の声」です。たとえば、マネージャー自身の個性によりマイクロマネジメントをしていたとします。
つねに詳細な指示をだして、進捗をこまかく管理していました。しかしメンバーは「細かくチェックされて、信用されていない気がする」「先に指示を出されるから、自分が考えなくていいだろう」といろんな受け止めかたをしている可能性があります。そのうち意欲を失い「こんな環境はいやだ」と辞めてしまうかもしれません。
一見些細なことと思えるかもしれませんが、人間関係、コミュニケーションは些細なことの積み重ねのうえに合意形成され仕事が進んでいくものです。受けとめかたの違いがモチベーションや離職にまで影響するとかんがえると、実はこれこそマネジメントのコツそのものなのです。
そこでFFS理論を活用し、自分をふくめたメンバーの個性を見立てることができると、相手にあわせた伝え方・向き合い方を工夫していきやすくなるのです。
具体的には次のように活用することができます。
準備: | ・メンバー全員が受診 ・個人別レポートは本人に渡すとともに、マネジメント用をマネージャーが保管 ・マネージャーは個人別レポートを読み込み、個々人の個性を理解 |
活用例1: | メンバー個々とコミュニケーション(面談、指示、報告受領等)をとる際には、相手の個性にあわせて伝え方、向き合い方を変える |
活用例2: | チーム形成を進める際は、相互の理解が進むような場づくりを意図的におこなう。具体的にはレポートを活用した相互理解ワークショップ等を開催し、心理的距離を縮め、会話の総量を増やす |
活用例3: | 行きちがい、トラブルなど「調整」機能をはたらかせる際には、個性の違いを“翻訳”することで関係者の相違点の橋渡しをする。 |
活用例4: | 自己理解と他者理解をすすめるために、全員がFFS理論をまなび、コミュニケーションをマネジメントすることで、意思疎通がはやく生産性もたかく、心理的安全性も高い組織をつくる。 例:テレワークがすすむ組織のマネジメントのカギは、個性の見える化にあり。 |
強みを活かせる組織開発をしませんか
個性理解に基づくマネジメントは、不要な誤解や悩みを減らすうえでも重要です。
「主張が強くて周りと摩擦を起こしがちな人」「認められるように頑張りすぎてしまう人」「行動は早いけれど、段取りが苦手な人」などなど、組織にはじつに多彩な個性をもつメンバーがには様々なタイプがいます。
相手の個性を理解せず、一律に押しつけてしまうと、遠慮して力を発揮しない人もいれば、反発して余計なエネルギーが生じる人もいて、組織としてのロスが生じてしまいます。
組織開発の打ち手に悩まれている経営者、人事部のかたは
マネージャーの心の負担を減らすためにも、個性理解ができるFFS理論の導入を一度ご検討してみませんか。
- 「組織的に動けていない」は「分業」や「調整」機能が働かないため
- 「組織的に動けるようになる」には、一人ひとりの個性を引き出すこと
- FFS理論による個性の見える化を、マネジメントの「必須ツール」に
- 心理的安全性が高い組織は、自己理解と他者理解が進んでいる
当社では、FFS理論による個性診断テストはもちろん、レポートフィードバック、組織編成の最適化アドバイス、個性を伸ばすビジネストレーニングをご提供いたしております。