脳科学から見る、自己理解と相互理解の重要性


今回は、脳科学の観点から、企業における「自己理解」と「相互理解」の重要性についてお話させていただきます。研修等で「人の行動の90%は無意識」とよくお伝えしているのですが、その出典や、だからこそ理解が必要、という根拠がお伝えできればと考えています。

私たちは「主観」で世界をつくっている

まず、大前提として、私たちがみている世界は「主観」です。主観でものを見て、つくっています。脳は、過去の経験や記憶、感情などに基づいて情報を処理するため、同じ出来事でも人によって解釈が異なります。つまり、客観的な事実よりも、主観的な解釈が私たちの行動を大きく左右しているのです。

行動の90%は「無意識」によるもの

さらに、私たちの言動の90%は「無意識」によって行われていると言われています。これは、脳がエネルギー消費を抑えるために、過去の経験からパターン化された行動を自動的に選択するためです。つまり、私たちは普段、自分の行動を意識的にコントロールしているようで、実は無意識に大きく影響されているのです。

なぜ、自己理解と相互理解が重要なのか

脳の特性を理解することは、企業の人事戦略において非常に重要な事項です。なぜなら、

  • コミュニケーションの齟齬: 主観や無意識の違いは、コミュニケーションの齟齬を生み出す可能性があります。
  • ハラスメントや偏見: 無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)は、ハラスメントや差別につながる可能性があります。
  • チームワークの阻害: 相互理解の不足は、チームワークを阻害し、生産性を低下させる可能性があります。

だからこそ、自己理解相互理解が重要なのです。

企業ができること

  1. 自己理解を深める研修: 自身の思考パターンや感情の癖を理解するための研修を実施します。
  2. 相互理解を促進するワークショップ: 他者の価値観や背景を理解するためのワークショップを開催します。
  3. 1on1ミーティングの実施: 上司と部下の1on1ミーティングを定期的に実施し、相互理解を深めます。
  4. フィードバック文化の醸成: 互いに建設的なフィードバックを行う文化を醸成します。
  5. 多様性を尊重する組織づくり: 多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる組織づくりを目指します。

これらの取り組みを通じて、従業員一人ひとりが自己理解を深め、互いを尊重し合える組織文化を構築することが、企業の成長に繋がります。

最後に

脳科学の知見を人事戦略に取り入れることで、より人間的で生産性の高い組織を作ることができます。ぜひ、自己理解相互理解を促進する取り組みを推進してください。

行動の90%は無意識、について。

これまでの研究や理論から、人間の行動における無意識の影響力の大きさが示唆され、「行動の90%は無意識」という数字が広まったと考えられます。

参考になる情報源を以下に示します。

これらの情報源も、直接的に90%という数字の科学論文を示しているわけではありませんが、無意識の影響力について深く掘り下げています。

「行動の90%は無意識」という数字は、あくまでも人間の行動における無意識の影響力の大きさを強調するための比喩的な表現として捉えるのが適切です。しかし、無意識が私たちの行動に大きな影響を与えていることは、多くの研究や理論によって支持されています。