4月になると心身不調が多いのはなぜ?


「4月は一年の中で最も心身の不調を訴える人が多い時期」と言われています。新年度の始まりは、期待と不安が入り混じり、私たちの心と体に大きな変化をもたらします。

この記事では、ストレス学の観点から、4月に心身不調を感じやすい理由を脳の反応を含めて解説し、具体的な対処法や企業ができることを提案します。

1. 4月に心身不調を感じやすい理由

4月は、私たちの脳と体に大きなストレスを与える要因が重なる時期です。具体的には、以下の3つの要因が考えられます。

1-1. 環境の変化によるストレス

4月は、入学、就職、異動など、生活環境が大きく変化する時期です。これらの変化が「心=脳」にとって大きなストレスとなり、自律神経のバランスを崩しやすくなります。

  • 脳の反応:
    • 新しい環境への適応に脳がエネルギーを消費し、疲労感が増す
    • 変化に対する不安や緊張から、交感神経が優位になり、心身が過敏になる
    • 慣れない人間関係や業務内容により、脳が常に警戒モードになり、リラックスできない

1-2. 気温の変化によるストレス

4月は、気温や気圧が不安定な時期であり、これらの変化に体が適応しようとすることで、心身に負担がかかります。

  • 脳の反応:
    • 寒暖差や気圧の変化に脳が対応しようとし、自律神経が乱れる
    • 気温の変化により、睡眠の質が低下し、疲労感が蓄積する
    • 気圧の変化により、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れ、情緒不安定になる

1-3. 生活リズムの変化によるストレス

新年度の始まりは、生活リズムが大きく変化しやすい時期でもあります。新しいスケジュールや人間関係に適応しようとすることで、睡眠不足や食生活の乱れが生じ、心身の不調につながります。

  • 脳の反応:
    • 生活リズムの乱れにより、体内時計が狂い、睡眠の質が低下する
    • 睡眠不足は、脳の疲労を蓄積させ、集中力や判断力を低下させる
    • 食生活の乱れは、脳に必要な栄養素の不足を招き、気分の落ち込みやイライラを引き起こす

2. 心身不調の具体的な症状

これらのストレス要因が重なり過ストレス状態になると、以下のような心身の不調が現れやすくなります。

  • 精神的な症状:
    • 気分の落ち込み、イライラ、不安感
    • 集中力や意欲の低下
    • 不眠、過眠
    • 感情の起伏が激しくなる
  • 身体的な症状:
    • 頭痛、肩こり、めまい
    • 食欲不振、消化不良
    • 倦怠感、疲労感
    • 肌荒れ、便秘

3. 心身不調への具体的な対処法

では心身の不調を感じた場合はどうすればいいのでしょうか。自覚できるようなら早めに対処することが大切です。

3-1. 環境の変化への対処法

  • 新しい環境に慣れるための時間を確保する:
    • 新しい環境での生活に慣れるまで、無理をせず、十分な休息を取る
    • 新しい人間関係を築くために、積極的にコミュニケーションを取る
    • 新しい業務内容を理解するために、積極的に質問や相談をする
  • ストレスを軽減する
    • 趣味や運動など、リラックスできる時間を作る
    • アロマテラピーや音楽鑑賞など、五感を刺激するリラックス法を取り入れる
    • 瞑想やヨガなど、心身を落ち着かせる習慣を取り入れる

3-2. 気温の変化への対処法

  • 体温調節を意識する:
    • 気温の変化に合わせて、服装を調整する
    • 体を温めるために、温かい飲み物や食べ物を摂取する
    • 入浴や足湯などで体を温める
  • 睡眠環境を整える:
    • 寝る前に、ストレッチや軽い運動をする
    • 寝室の温度や湿度を適切に保つ
    • アロマテラピーや音楽などでリラックスする

3-3. 生活リズムの変化への対処法

  • 規則正しい生活リズムを心がける:
    • 毎日同じ時間に寝起きする
    • バランスの取れた食事を3食摂る
    • 適度な運動を取り入れる
  • 睡眠の質を高める:
    • 寝る前は、スマートフォンやパソコンの使用を控える
    • 寝室を暗く静かな環境にする
    • 寝る前に、カフェインやアルコールの摂取を控える

4. 企業ができること

本人が自覚しているときは、症状が顕在化しているときです。予防人事として、従業員の心身の健康をサポートするために、企業ができることはたくさんあります。

といっても、そもそもストレスに対する正しい知識や、労務管理について精通している経営者や人事部は少ないという背景があります。だからこそ、積極的に従業員のストレスケアの知識を吸収し、具体的な施策に取り組む必要があります。

4-1. ストレスチェックの実施

定期的なストレスチェックを実施し、従業員のストレス状況を把握することで、早期の対策やサポートが可能になります。

4-2. 相談窓口の設置

専門家による相談窓口を設置することで、従業員が気軽に相談できる環境を提供します。

4-3. 働きやすい職場環境の整備

フレックスタイム制度やリモートワークの導入など、柔軟な働き方を支援することで、従業員のストレスを軽減します。通勤ラッシュを回避するだけでも、かなり負荷は変わります。

4-4. ストレスマネジメント研修の実施

ストレスマネジメントに関する研修を実施することで、従業員がストレスに対処するためのスキルを習得できるようにします。

5. ストレスマネジメントコミュニティ OASISについて

もしあなたが、

  • 4月の心身不調に悩んでいる
  • ストレスを効果的に管理する方法を知りたい
  • 同じ悩みを抱える仲間と繋がりたい

そう思っているのであれば、ぜひストレスマネジメントコミュニティ「OASIS」にご参加ください。

OASIS」は、ストレスマネジメントの専門家や同じ悩みを抱える仲間が集まるコミュニティです。

  • 専門家によるストレスマネジメント講座
  • 参加者同士の交流会
  • ストレス解消に役立つ情報提供

などを通して、ストレスを味方にし、より充実した毎日を送るためのサポートをします。

まとめ

4月は、環境、気温、生活リズムの変化が重なり、心身に不調をきたしやすい時期です。しかし、これらの要因を理解し、適切な対処法を実践することで、心身の健康を維持することができます。

もしあなたが、4月の心身不調に悩んでいるのであれば、一人で抱え込まず、専門家や周りの人に相談し、必要であれば専門機関を受診するようにしてください。

そして、ストレスマネジメントコミュニティ「OASIS」で、私たちと一緒にストレスを乗り越え、より快適な毎日を送りませんか。