FFS理論は心理学や人材アセスメントではなく「ストレスと性格」の研究から構築され実証実験された最適組織編成理論です。
ここ20年の間に脳科学の分野もかなり探求、エビデンスが発表されているようで、脳科学領域の書籍を読むと、ぼくがかつてFFS理論の講義で習ったように脳の作用について実証されていることがおおくとても興味深いです。(当時は静岡県で研修合宿に参加しました。)
表現は異なれど重複する文意がじつに多いのです。機会があればぜひご紹介したいなと考えております。(整理が追いついていない)
さて上記の事情、つまり「最適組織編成理論」は言葉どおり、金銭的投資を極力抑え、かつ現有戦力で、生産性をあげるにはどうしたらいいか?という命題に対して、実証実験・提唱されてきたのがFFS理論です。こういった経緯からしてFFS理論は個人向けに解放されていないのが現状です。
「ストレスと性格」の研究から発展してきたことや、ストレスチェック義務化で、ストレスという言葉が飛び交っています。
ストレスは、FFS理論のコアでもあります。拙いボクの理解ですが、ストレスは巷間認識されているような悪いもの、ネガティブなものではなくて、ざっくりいうと外的刺激のことをストレスと呼びます。いいも悪いもありません。
ストレス学のハンス・セリエ博士は
ストレスは人生におけるスパイスのようなもの。
と言われたそうです。ちなみに外的刺激を引き起こす物質はストレッサーと呼びます。このあたりは、脳科学領域にも重なる分野になってきますがFFS理論をきちんと講義で学ぶと、先ず脳の構造やら海馬、大脳皮質やらについて学ぶことからはじまりますので、ご安心を。
さて話題は変わって最近、日常会話や雑誌などで自己理解と他者理解についてみかけませんか。キャリア論を語るときには必ず自己理解、すなわち自分の強みを理解しよう、といったテーマにふれるはずです。
私は自己理解についてはざっと下記のように捉えていまして「FFS理論的な視点から話して〜」と言われると、おおよそ下記のようなニュアンスを軸に、その場その場で肉付けしながらお話をすることが多いです。
□自己理解について
ストレッサーに対する内面的反応を知る、つまり自分の個別的特性を理解することが、はじまりです。強みを知ろうとか客観視しようという話もありますが、まずは自己を形成する因子の強弱を知ることからはじめます。
ちなみにキャリアとは((「スキル」+「知識」+「経験」)×姿勢)という式でお伝えしていますが、なにを伸ばすのかは姿勢に通じ、何を覚えるかは知識とスキルに作用すると考えています。
☆他者理解
ストレッサーに対する内面的反応を知ることが自己理解とするなら、人間関係において、自分がストレッサーになったさいの相手の個別的特性を理解することが他者理解です。
ちなみにストレッサーはその場にいる自分(人)だけではなく、物理的空間や脳に保存されている「短期記憶」「長期記憶」も該当すると考えます。これは因縁縁果でいうところの、縁に近いかもしれませんね。
人と接することや、記憶を呼び覚ます空間があると思います。特定の場所にいくと気分が変わり、感情が揺さぶられるのはストレッサーに触れるからです。
自己理解と他者理解を進めると
FFS理論を社内に導入して自己理解と他者理解が進むと、なぜ話が速い組織になるのか。どうして合意形成に到る時間短縮ができるのか。1 on 1になぜ活かせるのか。を、少しご案内させてください。
まず互いの個性因子とストレスに対する反応(=個性)を知ったうえで、何回も日常のやり取りを繰り返していくと、しだいに相互理解がはじまります。
仕事は期待値調整をおこなって、合意形成したところから進みはじめます。相互理解がすすむと、この期待値調整がうまくいきはじめるのです。すると内面的反応、生体反応がネガティヴ状態から、ポジティブなものに変化しはじめます。
こうして出来上がったものを信頼関係とよぶのですが、この関係ができると、過剰な生体反応が消えていきはじめます。
入社して、馴染むまでに3ヶ月くらい要する。と言われている背景には、生体反応の探りあいがすすみ、ポジティブ体験を脳が記憶するまでに1ヶ月強かかるから、と私は言っています。
さらに現実的に覚えなければ組織のルールや業務フローはたくさんありますので、3ヶ月くらいは見ておきたい、というところでしょうか。そしてこの間、当事者相互は大量のストレスを浴びているわけです。
この「過剰な生体反応」が消えた状態のチームが多い組織が「心理的安全性の高い組織」と言われます。
いろいろな取り組みスタイルがあると思いますが、ポジティブな(ネガティブも)反応は脳の海馬に記憶され、都度引き出されることで、「これって持続性を高めるために必要なんじゃない?」と無意識下で判断されていくと、徐々に大脳皮質に書きこまれ「長期記憶」になります。これが「潜在意識」になっていきます。(引き出しの中身がふえるようなイメージですかね)
なので、当社が提供しているマインド・トレーニングでは否定語、否定文は極力使わないように意図しています。
ともあれポジティブな反応が増えると、組織全体がポジティブなサイクルに入っていきます。小さな成功体験をどんどん積み重ねようといった話しは、これに近い話しですね。
とはいえ、とはいえですよ。。。分かり合わない組み合わせ、ネガティヴ反応しか起きない心理距離ってあるんです。知ったからといって魔法のスティックを手にした訳じゃないので。
ハレーションを起こすこともあります。いつだって誰だって冷静沈着なわけでもなく、相手のいうことを、すべて受容できるわけでもありません。すべて受容する必要もありません。
ただ知らないよりは知っていたほうがいいのがFFS理論です。20年ぶりにFFS理論の社内導入支援をはじめてから、かつては個のキャリア形成に役立てませんかという視点だったのが、いまはマネージャーや、リーダーにかならず知っておいてもらいたい理論だと思うようになりました。
知らないからパワハラや強制、見下しが起きるのです。知らないからリモートワーク環境になると不安が増し、顔が見えないとマネジメントできないんじゃないか、という恐れが生まれるのです。大切なのは無知をなくすことだなぁと痛感します。
FFS理論の活用を模索する雑談会を開催します
さて長々と綴ってきましたがFFS理論に興味がある、具体的にどう活用するの?といった「導入前に知りたい」「話を聞いてみたい」ご希望があると、ちらっと伺いました。
そこでFFS理論を肴に雑談できる、勉強会よりは気楽に出入りできる。そんな場をつくろうと計画しました。平たくいうと「人事部以外の人は普段どう利用しているの?」「人材アセスメントの次にどうするの?」をざっくばらんに話しあい、FFS理論の導入検討をススメてもらうための事前情報共有の場です。
「FFS理論導入のビフォー・アフター 」in 本郷横丁
開催日程 | 2021年6月3日(木) |
時間 | 17:00〜19:00 |
開催場所 | Zoom |
参加費 | 0円 |
その他 | 「横丁」的な集いですので、画面越しの飲食自由です。 |
アジェンダ | 1. 弊社の自己紹介(1分) 2.FFS理論についての簡単なご説明(3分) 3.FFS理論導入の流れのご案内(5分) 4.雑談 ※このあたりからご質問や話をご参加の皆さまへ割り当てたり、弊社内での活用法や(話せる範囲での)導入事例などをおつたえしていく計画です。 |
お申込み後、zoomのURLをお送りいたします。「ざっくばらん」に「FFS理論について話し合う」ことがテーマなので、講義やセミナーといった形式ではありません。画面越しに飲食していただいても大丈夫ですし、途中で退席・復帰も自由です。くれぐれも「硬い」セミナーとお間違えのないようにご注意ください。
ちなみに弊社では、FFS理論を本意気で社内導入される企業さまには、人事担当者のかたにパーソネルアナリスト1級資格」の取得を推奨します。社内でFFS理論を運用するには本資格が必須だからです。
講義は推薦人が必要で、受講には審査がありますので、「いっちょ受けてみるか」といった感じではむずかしいので、ご検討の際には一言お声がけください。