それぞれの個性に応じた対処がある
その後改めてFFS理論の基本理解と、⼈の個性に応じたポジティブ反応の引き出しかたについてお伝えしました。参加者の皆さんには事前にFFS診断の受検結果レポートをお戻ししています。自身の個性因子を見ながら次のような解説を聞いていただきました。
FFS理論と脳(=心)について
FFS理論について改めてご紹介します。5つの因子の強弱で人の個性が表されるという考えかたで、各因子はストレスの状況によって反応がポジティブにもネガティブにも起こることが理論化されています。
拡散性と保全性という2つの因子は脳の基底核と連動しており、情動的に働く因子です。基底核は欲求や情動および運動の調節や運動の記憶に関わっている一連の深部脳構造です。弁別性は脳の旧皮質、凝縮性と受容性は新皮質と連動しており、社会性の因子です。
それぞれの人の因子はその人に固定されたもので、環境等が変わっても基本的には変動しません。拡散性と保全性がDNAで、凝縮性・受容性・弁別性が社会性、後天的に培われるものとして分類されています。この辺が心理学が基礎になっている理論とおおきく違う点です。
各因子にはポジティブ・ネガティブ両方の側面がありますので、どちらが強く発揮されるかは置かれている状況、そのとき受けた刺激に左右されます。また出力の強弱を定量化しており、この差異が個性(個別的特性)と位置づけられています。
個性はストレッサーによって誘発される
たとえば保全性因子が強い人は、ポジティブに発揮されると順応的で持久的な言動になりますが、ネガティブになると追随的で妥協的になります。保全性の人にとってのストレッサーは、明確な指針がなく放置されてしまうこと。もしそういう環境下におかれると「指示が出るまで待ちます」と消極的な姿勢を強化しかねません。これがネガティブに発揮されている状況です。しかし、目標と進め方がある程度見えていると、「計画に落とし込んだのでこれで進めませんか」とチームにとっての貢献を自ら提案してくれるかもしれません。
ポイントは、自身にとってのストレッサーを理解し、自身で状況をコントロールできるような動き方をしていくことです。ストレッサーがわかっていれば、ストレスが生まれそうなタイミングで予測ができます。予測ができると、対策をとることができます。自分にとっての対処法をぜひ押さえておきましょう。